歯科治療というと、歯を治療することを中心に考えられがちですが、実はより大切なことの一つに「咬合と全身のバランスを整える」という点があります。 体を支える背骨のゆがみは、日常的な積み重ねで私たちの体にさまざまな症状を引き起こします。 二足歩行の人間は背骨のバランスを正常に保つことで、神経の働きや本来人間が持っている自然治癒力を最大限に高めています。 重力に対し、頭部から背骨の先端を結ぶ曲線が正しいカーブを描くことで、立位のバランスを保っているわけです。 そして、その頭部の重心を支える重要な役割を果たしているのが下顎で、その下顎骨を安定させるのが「咬合」です。 つまり、「咬合」は、全身のバランスを左右する大切な要素ということになります。
顎関節症の患者数はここ数年増加の傾向にあります。 10代半ばから20代〜30代にかけて、特に女性の患者様が多いのが特徴です。 10代半ばの成長期には、上下の顎の成長と歯牙の萌芽とのバランスが欠けること、また、若い年齢層の食習慣、生活習慣などにも原因があるとも言われています。 下記の症状に心当たりがあれば、まず、咬合に異常があるかどうかを診断する必要があります。
《顎関節症による口腔内の主な症状》
咬合が悪いと良く咬めないだけではなく、全身の姿勢のバランスを崩し、いろいろな痛みの原因となることがあります。
《痛みの出やすい場所》
●頭 ●首の周り ●肩 ●肩甲骨 ●腰
●背骨の両脇の筋肉 ●臀部の筋肉 ●太股の後ろ など
咬合の悪さがストレスの原因となり、知らず知らずのうちに蓄積され、鬱病などの心の病を発症することもあります。 心の病は、原因の見極めがとても難しい病気です。 咬合が原因の場合でも、心身症と大変似た症状を引き起こすことがありますので、特に慎重な診断が必要となります。