インプラントを使った入れ歯とは?

インプラントを支えにした脱着式の入れ歯オーバーデンチャー

インプラントの上部構造(人工の歯の部分)には、一般的なネジによる固定式と入れ歯の形状をした脱着式の二種類があります。後者はオーバーデンチャーといい、顎の骨に埋入したインプラントを支えに、脱着式の上部構造を保持する装置により固定する治療法です。

●オーバーデンチャー

従来の入れ歯のデメリット

従来の入れ歯は、歯茎の粘膜を支えにし、吸着することで固定します。そのため、形が大きく、安定性が低く、会話や食事の際にずれたり外れたりすることがあります。総入れ歯の支えには、上下顎ともに床という土台が必要で、これが装着の違和感をもたらします。

治療法の選択はメリットとデメリットを考慮して

一方、オーバーデンチャーは骨に埋入したインプラントで上部構造を固定します。従来の入れ歯に比べて、咬む力が格段に優れ、上顎の床は1/3程度の面積で済むため、装着の違和感も少なくなります。ご自身で上部構造を取り外せるので、インプラント周囲のお掃除も簡単です。また、固定式のインプラントに比べ埋入本数が少ないため、手術による身体への負担が軽く、費用も安く済みます。
しかし、オーバーデンチャーには従来の入れ歯と同じく床(歯肉の部分)がありますので、慣れるまで装着に違和感を感じる場合があるなど、デメリットもあります。他にも外科手術が必要なこと、治療は保険適用外であること、インプラント本体と骨の結合まで数ヶ月の期間を要するため、従来の入れ歯より治療期間が長いことなども考慮して、他の治療方法と比較検討することが大切です。