治療法の選択は慎重に
大きくは以下の3つの治療方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
たった1本の歯を失っただけと思われるかもしれませんが、この時点での治療法の選択が将来の口腔内の健康にも大きく左右しますので、慎重な選択が必要です。
●1本義歯/保険適用
「1本義歯」とは、隣在歯に金具を回し、脱着可能な部分入れ歯を装着する方法です。隣在歯を削らずに済みますが、歯ぐきと入れ歯の間に食物が入り込むと痛みを伴うなど装着感に満足できない場合があります。費用が抑えられ、短期間で治療できることがメリットですが、咬合力、審美性は他の方法に劣ります。
●ブリッジ/保険適用
「ブリッジ」は、隣在歯を削って土台とし、そこへ上部構造(人工の歯)を接着して固定する治療方法です。装着の違和感が少なく1本義歯より安定します。しかし、無傷な歯を削らなければならないことが最大のデメリットです。隣在歯がすでにかぶせ物などで治療してあれば、健康な歯を削るよりもデメリットの度合いは低くなります。いずれにしても、削られた歯は過重負荷や、お手入れ不足による虫歯・歯周病などで将来的に抜歯になるリスクが高くなり、歯の寿命を縮めることに繋がります。
●インプラント/保険適用外
「インプラント」は、欠損部の骨にチタンの支柱を立て、上部構造を装着する方法です。骨に支えを求めますので長期安定が可能です。また、ブリッジのように両臨在歯に負担を掛けることがないこともメリットの一つです。デメリットとして、治療期間が長い、治療費が高額、外科手術が必要などの点が挙げられます。

メリットとデメリットを十分に考慮した上で、患者さま一人ひとりの状況に合った治療法を選択することが大切です。