治療期間中は仮歯を装着
インプラント治療では、インプラントを顎の骨に埋入した後、骨とインプラントの結合まで、患部に負荷をかけず一定期間待つことが必要です。最終的には上部構造(人工の歯)を装着しますが、骨とインプラントの結合を待つ間は審美性や咬合も考慮した上で、仮歯を作成し装着します。
仮歯の装着期間は、症状に応じて変わります
仮歯の装着期間はおおよそ2通りです。
●インプラント埋入後、1週間程度で仮歯を装着できる場合
部分的なインプラントの場合、埋入後ほどなくして残存歯を支えに仮歯が装着できます。ほとんどの場合、埋入部に大きな影響を与えず結合を待つことが可能です。
●期間をおいて仮歯を装着する場合
多くの歯を失った場合には、残存歯がないため、仮歯、つまり入れ歯の支えは顎底の粘膜となり、インプラント埋入部にも負荷がかかります。また、インプラント埋入部の骨が十分でなく、骨移植を行った場合も、移植骨と自家骨の結合前に力が加わると移植骨が動いてしまうことがあります。これらを防ぐため、このような症例では埋入後最低1ヶ月、本来はそれ以上が望ましいのですが、一定の期間をおいてから仮歯を装着します。その間は歯がない状態ですが、審美的に困る場合など、症例により対応可能な方法もありますので、医師に相談してみると良いでしょう。
最近では、インプラントの初期固定が良好な場合、早期に荷重がかけられるような考え方に変わってきています。
そのため、以前よりも早めに仮歯を入れることが可能になっています。